台湾の原住民
こんにちは。
行ってきました。諸事情でほとんど寝ないまま、朝6時出発。
渋滞にもよりますが、最低でも2時間半はかかるためです。
阿里山に向かう途中、左手に真新しい、
日本でいうと住宅展示場のような家が立ち並んでいて、
やけに綺麗で違和感を覚え、質問してみました。
台湾人によると、それは原住民のために、政府が作った家だそうです。
原住民は、もともと山に住んでいましたが、時代と共に暮らしも代わり、
どうやら、一部の原住民のは政府がこうした住居を提供しているようなのです。
ちなみに、その原住民の名前は「cou 鄒族」と言います。
日本語では、「ツォウ族」と呼ばれているようです。
ツォウ族(ツォウぞく、繁体字: 鄒族、曹族、Cou, Tsou)は台湾原住民の一つ。南投県、嘉義県、高雄県に7,116人(1998年 内政部統計)が分布している。
ツォウ族の人々が新高山(現・玉山)一帯に住んでいることから、日本の文化人類学者鳥居龍蔵によって新高族と名付けられた。
(Wikipedia より)
追記:(2018年2月26日)
グーグルスカラーで検索していたら、阿里山に暮らすツァオ族にインタビューした
論文を見つけました。
兵庫教育大学学生による卒論のようです。
http://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/1172/1/AN100660790200008.pdf
当時の授業内容などが興味深いです。
話を元に戻しましょう。
資料館にあった地図には、日本語で「ゴルフクラブ」などのある程度
予想がつく言葉の他に「ポプラ社」(ポプラだったかな?)
などの文字が目につきました。
山の下から上に登るまでの途中に、それらがいくつかあり、
日本でいう「金沢文庫」などのようなものかなと思っていたら、
部族、集落の単位のようです。
ツォウ族は南ツォウ群と北ツォウ群に分類される。南ツォウ群は「カナカナブ(Kanakanabu、卡那卡那富)」群と「サアロア(Saaroa、Hla'alua、沙阿魯阿)」群、北ツォウ群は「阿里山ツォウ」群とそれぞれ称され、「特富野」、「達邦」、「伊姆諸」、「魯富都」社が存在していた。しかし伊姆諸社と魯富都社は20世紀初頭の伝染病の流行により部落首長が絶嗣したことで廃社となっている。阿里山ツォウ群は現在8村落が存在し、来吉村、里佳、楽野は特富野社に、新美、茶山、山美、里佳附は達邦社に属している。(Wikipedia)
どうやら、この漢字を「カタカナ」で書いていたようですが、
メモを忘れてしまったので、正確な表記がわかりません。すみません。
今回、阿里山では、原住民がもともと食べていた「竹筒飯」
本当に竹に入っている蒸し米を食しましたが、全く脂っこくなく、
とても美味しかったです。また食べたいくらいです。
(ここで、台湾初、リスを見かけました。栗鼠)
*ちなみに、リスは繁体字で「松鼠」、英語でsquirrel、ドイツ語で
Eichhörnchen (アイヒ ホェーンヒェン)と言います。
また、「わさび」(山葵:日本語と同じ漢字)も
小さいのは50元〜大きいもの150元までありました。
新鮮なんでしょうね。
阿里山茶も有名です。
ニセモノも多いので気をつけたほうがいいと言われました。
帰りには「(鶏肉飯)ジーローファン」を食べました。
これも名物らしく、阿里山から降りたすぐの道路沿いの
店の看板は全部、鶏肉飯でした。
「過猫(グワマオ)」と表記する、ワラビのようなものも食べました。
日本語では、クワレシダ
学名は Diplazium esculentum
甘めのやたら白いマヨネーズがかけられていましたが、
私はマヨネーズが苦手で、これも苦手でしたので、避けて食べました。
ないほうがずっと美味しいと思います。
シダ類は先住民、台湾人がよく食べる野菜のようです。
ざっくり「山菜」でまとめられていますが、
ワラビ、ゼンマイのように、先の方が特徴的です。
日本だと、山菜は春のイメージですが、
1年中暖かい台湾では、1年中食べられるのでしょう。(予想)
このクワレシダ。レッドデータにあり、
鹿児島と沖縄(絶滅危惧1種)となっているので、
もしかしたら、食べていたかもしれません。
あっさりしていて、美味しかったです。
google schler 検索結果:
日本語(クワレシダ)
https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&q=%E3%82%AF%E3%83%AF%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%80
英語(English)Diplazium esculentum
https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&q=Diplazium%20esculentum
それから、阿里山頂上からちょっと離れた場所には、
原住民の服装の展示もあり、(鉄道博物館内)
今でも、標高が台湾で一番高い位置(2195メートル)
にある小学校「香林小学校」には
3つの集落から合わせて20名ほどの子供が通っているそうです。
今回は、
阿里山の頂上へ行った後、廃線になっている嘉義と阿里山のちょうど
中間地点にある「阿里山鉄道」の駅
「奮起湖(Fen Chi Fu)駅」に行きました。
仙人のようなおじいさんが駅弁を持っている看板があちこちに。
日本の漫画でも紹介されたらしく、店の前に貼ってありました。
記念の弁当箱300元で、お箸付きだと500元で売っていましたが、
ステンレス製だったので、買いませんでした。
店で弁当を頼むと、アルミ製の昔ながらの入れ物に入れて提供してくれます。
スープもお代わり自由。こちらも、お肉がチキンと豚肉の2種類入っていて、
とても美味しかったです。カメラを持って行き忘れた&携帯電話の電源が
切れてしまったので、写真が全然ないのがとても残念です・・・・。
またリベンジしたい!
餃子みたいな形の不思議な野菜、「佛手瓜」
も見かけました。日本語では「ハヤトウリ」
鹿児島に「隼人」という地名があり、「隼人瓜」と書くことからも
関係あるかな?と思いましたが、もともと熱帯地域で作られるようなので、
関係なさそうです。学名は Sechium edule ウリ科 Cucurbitaceae
のハヤトウリ属です。Wikipedia に写真があります。
それから、
りんごのようなトマトのような果物?を買いました。
(5粒で50元。名前がわからない。)
#taiwan #taiwanfood #taiwanfruit #fruit #tomato
名前がわかる方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。
紹介されていたコミックはこちらです。
駅弁ひとり旅 ザ・ワールド 台湾+沖縄編 (アクションコミックス)
- 作者: 櫻井寛,はやせ淳
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/01/12
- メディア: コミック
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ここからは一般的な「台湾原住民」について。
台湾はもともと、いた民族、の他に中国大陸から渡ってきた、「外省人」
そして、日本統治時代に日本から来た「湾生」など
様々な民族が混在しています。
昨年の夏、台北ユニバーシアード(国際規模の大学生のスポーツ大会。
(インカレの国際版と思っていただければOKです)が開催されましたが、
そのテーマソングは、台湾の原住民が歌っているんです。
言葉も中国語ではありません。
まずは、聞いてみてください。
Embrace the World with You - 29th Summer Universiade 2017, Taipei, Chinese Taipei
「スナスナイ〜」という、フレーズが頭に残りますね。
台北ユニバのテーマソング 「擁抱世界擁抱你」
学生のオリンピックとされる、「ユニバーシアード台北大会」が19日から30日にかけて台湾北部の台北市、新北市、桃園市、新竹県、新竹市の5都市で開催されている。
テーマソング「擁抱世界擁抱你(エンブレイス・ザ・ワールド・ウイズユー、あなたと一緒に世界を抱きしめよう)」は2016年11月20日に多くの応募作品から選ばれた、台湾の原住民族の歌手、舞烔恩(パイワン族語名:Utjung Tjakivalid)の作品。パイワン族語と標準中国語で歌われている。
歌っているのは、「I-WANT星勢力」という6人組グループ。台湾の原住民族の伝統的で軽快な音楽に、ルンバ、ラテンのリズムを加えたものになっている。印象的なのはサビに繰り返して出てくるフレーズ、「i u giugi senasena i」。これはパイワン族語、「一緒に歌って踊ろう」という意味。台北市民の通勤通学の足、MRT台北新交通システムのホームでもよく放送されている。(Rti台湾国際放送Facebook 2017/8/19 投稿より)
公募だったんですね。
作詞・作曲を手がけたのは、舞炯恩・加以法利得(Utjung Tjakivalid)さん。
ほかのメンバーは、蕭牧時さん、馮玟璇さん、曽宇辰さん、
男性デュオ「扶桑花」の呂傑さんと林忠培さんの合計6人です。
開会式のパフォーマンスもYoutubeでみられますが、構成はややアレンジし、
前奏部分にパイワン族によるラップを加えたそうです。
(参考:Taiwan Today )
それから、例えば、こちら。「王宏恩」が歌う「月光」
中国語バージョンもありますが、原住民のことを歌っています。
(布農母語バージョン)と書いてありますね。
東京外国語大学のアジア・アフリカ研究所による
台湾資料のHPによると、
王宏恩/BiUNG『獵人 The Hunter』 ブヌンのフォーク・シンガーBiUNGは、作詞作曲を自分で手がけ、ブヌン語の歌詞、伝統的なメロディーを取り込んだ曲も多い。
彼はブヌン族なのですね。
原住民についてちょっと興味が出て来ました!
職場にも、お母さんが原住民で、昔は山の上に暮らしていた。
そして、その原住民は歌がとてもうまいことで知られている・・・・
という人がいます。だから、原住民ハーフは台湾では珍しくないようです。
また、わかったことがあったら、ブログに書きたいと思います!
Refarence (参考)
・「台湾原住民族との交流会」:ツォウ(鄒族) | 台湾原住民族との交流会
・Wikipedia 項目「ツァオ族」「台湾原住民」:台湾原住民 - Wikipedia
・東京外国語大学 アジア・アフリカ研究所による「台湾資料」(オススメ)
http://www.gicas.jp/taiwan/about.html
兵庫教育大学学生による卒論のようです。
http://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/1172/1/AN100660790200008.pdf
・Formosa Language Achieve (English / 中文):Formosan Language Archive
・google scholer
・セディック及びアミ族の研究者「月田尚美」さんのWebページ:
《月田尚美さんが参考文献としてあげている書籍等》
- 『台湾原住民研究への招待』日本順益台湾原住民研究会編. 1988. 風響社
- 『台湾原住民研究概覧〜日本からの視点〜』日本順益台湾原住民研究会編. 2001. 風響社
- 『アジア読本・台湾』笠原政治・植野弘子編. 1995. 河出書房新社
- 『言語学大辞典〜世界言語編〜』1~5巻. 亀井・河野編. 三省堂.
LINE スタンプ:
「「'aveoveoyx」はツォウ族の言葉で、祝福と感謝と喜びを表す挨拶言葉」
そのほかの駅弁関連書籍:
台湾行ったらこれ食べよう! 駅弁・鉄道旅編: 台北だけじゃない、もっとディープな旅へ。
- 作者: 台湾大好き編集部
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2015/11/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2014年 06月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2014/05/10
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (1件) を見る