独立か、統一かという問題よりも、台湾にとって最も重要なのは、台湾が『存在し続けること』にある
タイトルは引用です。
前回の記事に続き、『李登輝 いまほんとうに伝えたいこと』(早川友久)より抜粋です。だらだら書いてしまったので、こちらに続きを書きます。といっても、第5章部分。186ページにタイトルに引用した部分があって、このように書かれています。
李登輝が常々言っていたのは「独立か、統一かという問題よりも、台湾にとって最も重要なのは、台湾が『存在し続けること』にある」ということだ。
台湾は、日本や中国と比べても小国であり、自国だけでその存在を維持していくにはあまりにも心許ない。だが、民主主義や自由という同じ価値観を持つ日本の協力を得られれば、台湾はその「存在」を維持することが可能になる。そして、李登輝がいうところの「台湾が存在していればこそ、そこに希望が生まれる」ということになるわけだ。
続けて、李登輝の素顔として
- 他者への関心
- 思いやり
- 「公」を重んじる
ところなどを挙げている。
さらに、日本統治時代にインフラを整えるのに尽力した「八田興一」の名前を挙げている。勤勉、正直、誠実、自己犠牲、義を観てせざるは勇なきなり、弱きを助け強気をくじく。こうした日本人が持つ精神を、若い日本人にも知ってほしい、少しでも取り戻してほしいと思っていたそうだ。
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巻末に年末や外交関係、特別音声などが記されている。(プラハは書いていないけれど、市レベルの交流ということだろうか)
音声は「ビジネス社」の検索で調べらるため、ここに載せても問題ないだろうと判断し、リンクを載せる。
李登輝音声特別公開ページ(2020/09/02)
「李登輝、坂本龍馬について語る」
タイトル通り坂本龍馬はもとより、日本文化や日本の精神、西田幾多郎の『善の研究』、そして司馬遼太郎との思い出まで、李登輝自身が「脱線ばかりしてすまないけど」と笑わせたように、多岐にわたるテーマについて自由闊達に話した貴重な記録です。ぜひ、楽しんでお聞きください。日付:2010年7月21日
時間:約40分
とても、ハキハキと快活に話されている印象です。